工学部技術部 計測・分析技術室
池松 伸也
昨年、環境社会部門流域システム工学研究室が長年取り組んできた「河川教育を通した水環境の保全再生とその実践」の活動が評価され、工学教育賞文部科学大臣賞を受賞するという栄誉に預かりました。その一員として関わらせていただいたことを、心から誇りに思っています。
流域システム工学研究室では、国内外の河川や流域を対象とした教育、研究、実践活動に取り組んでいます。その目的は、河川や流域での取り組みを通じて、安全で豊かな生活と生物多様性の保全を両立させ、持続可能な社会を実現することにあります。私は技術部発足前から研究室に関わり、発足後も業務依頼をいただきながら支援を続けています。
研究室における私の役割は、先生方や学生が活動の中で直面する技術的課題に対して、調査や実験の相談に乗り、実践につながるアイデアを提供することです。時には一緒にトライアル&エラーを繰り返しながら、成功への足掛かりを探ることもあります。学生との対話の中で生まれる言葉には、技術的なヒントが多く含まれており、毎回新たな発見があり、非常にやりがいを感じています。そうした気づきの積み重ねが、私自身の創意工夫を磨く原動力となり、より柔軟で実践的なアイデアの創出へとつながっています。
課題が明確になり、活動が軌道に乗り始めた頃、学生たちの目が輝き、表情に自信と意欲が満ちていく様子が見て取れます。その姿に私自身も大いに刺激を受け、業務へのモチベーションが自然と高まり、少しずつ自分の仕事に対する自信も芽生えていきました。このような貴重な機会を与えてくださった島谷幸宏名誉教授、橋本晴行元教授、林博徳准教授には、心より感謝申し上げます。
工学教育は、学生にとってだけでなく、技術職員にとっても学びと成長の場であると強く実感しています。もちろん、学びの過程には失敗もつきものです。たとえば、測量手法の誤りによって取得したデータが使えなくなったり、設計ミスに気づかず実験用治具を作ってしまったりと、先生方や学生にご迷惑をおかけしたこともありました。しかし、失敗をそのままにせず、「なぜうまくいかなかったのか」「どうすれば改善できるのか」を自分なりに考え、時には先輩技術職員の助言を受けながら改良を重ね、次につなげる努力を続けてきました。こうした経験は、私の技術力を着実に高めることにつながり、かけがえのない財産となっています。
技術部の発足以降、それまで接点のなかった先生方や学生との交流が増え、そうした人との関わりがコミュニケーション能力を高め、対話力や柔軟な対応力の成長へとつながっていると確信しています。同時に、自身の技術の幅を広げる場にもなっており、50歳を過ぎた今もなお、探求心を持って仕事に取り組めていることを嬉しく思います。
若い技術職員の皆さんにも、ぜひ積極的に多様な業務に関わり、人との対話や協働の中で得られる学びを大切にしながら、自らの技術と人間力の幅を広げていってほしい――そんな思いを、心から抱いています。
