平成30年度元岡中学校職場体験学習受け入れ

昨年に引き続き、平成30年9月5日・6日の二日間、工学部技術部は福岡市立元岡中学校の職場体験学習を受け入れました。

1日目

ガイダンス

三木室長による技術部紹介

初日技術部を訪れた4名の中学2年生は、まず三木室長(計測・分析技術室)から九州大学や工学部技術部についての説明を受けました。その後2名一組でそれぞれのテーマに分かれ、「ガラス細工の仕事」と「プログラミングの仕事」を、2日目は4名全員で「水素エネルギー国際研究センターの仕事」を体験しました。

 

 

 

 

 

ガラス細工の仕事

工学部技術部では、研究室等から依頼を受けて、様々な製品を製作しています。その一つにガラス細工があります。この体験実習では計測・分析技術室の中村氏と福永氏が講師になり、ガラス細工を体験してもらいました。中学生は講師からの説明を受け実際に加工を開始しましたが、初めのうちはガスバーナー等の取扱に慣れない様子でした。しかし作業を続けるうちにコツをつかみ、最終的にマドラー、スプーン、試験管の三点を作ることができました。体験した中学生は、製品を自分たちで完成させることができ大変うれしそうな様子でした。

作業風景
完成したマドラーとスプーン

プログラミングの仕事

インターネットの普及・発達によって情報化社会が進み、九州大学においても多くの情報システムが利用されています。情報技術班では業務の効率化に向けてwebシステム開発を行っています。この体験学習では、情報技術班の越智氏と宗平氏が講師になり、初心者向けプログラミング言語Scratchを用いてシステム開発を行いました。キャラクターを動かすことから始め、簡単なゲームやクイズを作成しました。最初は悪戦苦闘していましたが、慣れてくると自分たちでさまざまな応用ができるようになりました。

プログラミング体験の様子
Scratchによるプログラミングに挑戦

 

2日目

水素エネルギー国際研究センターの仕事

九州大学では、将来の水素社会を見据えたエネルギーの高効率利用に関する研究を行っています。なかでも燃料電池(Fuel cell)は二酸化炭素(CO2)を排出しないクリーンなエネルギー変換技術として注目を浴びています。この体験では、工学部技術部より水素エネルギー国際研究センターに派遣されている大嶋氏が講師を担当し、同センターにおける水素研究の紹介や燃料電池キットを用いた模擬実験を行いました。また、午後からは水素ステーションスタッフの協力を得て、日常点検作業や燃料電池自動車への水素充填作業の補助をするなど、水素関連施設での業務を実際に体験しました。

燃料電池の模擬実験では、水の電気分解や燃料電池の特性を調べたりしました。水の電気分解は学校の授業でも学習した内容であることから、関心をもって積極的に取り組んでもらえました。その後の施設見学では燃料電池が自動車、家庭用燃料電池等、身近なところにも利用されていることを知り、驚いている様子でした。

燃料電池の模擬実験
燃料電池モデルカーの見学

午後からは点検者の方と一緒に水素ステーションの点検作業を体験しました。中学生は説明を受けながら1つずつ点検項目をチェックし、水素ステーションへの理解を深めていました。実際の車に水素を供給することはできませんでしたが、スタンドから供給ノズルを取り外し、自動車の供給口に取り付ける作業を体験してもらいました。供給ノズルは見た目より重く、また取り外すのにコツが必要なため、思うようにはいかずに苦笑いを浮かべる場面もありました。

点検中の様子
水素スタンドでの作業風景

 

体験終了後の記念撮影

 

二日間の職場体験学習で、中学生は普段出来ないことを体験でき大満足な様子でした。体験中の中学生は、興味深そうに説明を聴き真剣に作業に取り組んでくれました。私たち技術部も良い体験を提供することができ大変喜ばしく思います。今後も継続的に職場体験を実施できるよう、体験内容等の検討を続けていきたいと考えています。

 

 

 

 

 

この職場体験学習では、工学部技術部外の
水素エネルギー国際研究センター 佐々木一成主幹教授
にもご協力をいただきました。心より感謝申し上げます。