ガイダンス

初日工学部技術部を訪れた元岡中学校2年生の6名は、松川室長(計測・分析技術室)から九州大学や工学部技術部について講義を受けました。その後、2つのグループに分かれて、4名が「化学実験実習の仕事」、2名が「ガラス細工の仕事」と「水素エネルギー国際センターの仕事」を体験しました。
化学実験実習の仕事
大学では色々な研究・実験で様々な化学物質を取り扱うので、どこが危険なのか、どうしたら安全に実験できるかを教育・指導しています。ここでは計測・分析技術室の増子氏、善氏が講師になり、1日目はパセリの葉からの色素の抽出、2日目は測定装置の見学、酸化還元による色の変化、ストームグラスの作成を体験してもらいました。体験前の安全教育は中学生には難しい内容でしたが、しっかりメモをとり真剣に勉強している様子でした。2日目には、担当の増子氏、善氏からジャンルを問わないマニアックなクイズなどもあり、とても和やかな雰囲気で体験を終わることができました。また、学校の教科の中で理科はあまり好きではないという中学生たちでしたが、化学実験の面白さに少し興味を持ってくれたようでした。


ガラス細工の仕事
工学部技術部では、研究室等から依頼を受けて様々な製作、加工をしており、その一つにガラス細工があります。大学ではガラス器具を用いた様々な実験が行われるため、各実験に応じた設計による一点もののガラス器具をオーダーメイドで作製したり、破損したガラス器具を修復したりしています。そこで、計測・分析技術室の福永氏、中村氏、越山氏が講師になり、ガラス細工を体験してもらいました。体験前には安全教育が行われ、注意事項を一文一文丁寧に読み上げしっかり確認しました。また実際のガラス細工体験では、初めはうまくガラスが切れなかったりガラス棒を回せなかったりと、初めての作業に慣れず不安な様子でしたが、最終的にマドラーなどの作品ができたときは大変嬉しそうにしていました。




水素エネルギー国際研究センターの仕事
伊都キャンパス内の高圧ガス設備では、色々な種類の高圧ガスを日々研究のために使用しており、これらを安全に利用するためには日常的な安全管理が必要です。この体験では、水素エネルギー国際研究センターに派遣されてる大嶋氏、江藤氏が講師になり、同センターにおける水素研究の紹介や、燃料電池キットを用いた模擬実験を行いました。模擬実験では、学校でまだ習っていないグラフの作成が難しいようでしたが、講師の説明を聞きながらグラフを書き上げていました。そして午後からは水素ステーションスタッフの協力を得て、日常点検作業や燃料電池自動車への水素充填作業の補助をするなど、水素関連施設での業務を実際に体験しました。水素充填作業中、補充口の取り付けに少し苦戦する場面もありましたが、充填後に燃料電池自動車に試乗すると、音をほとんど出さずに走ることに驚きと感動の声をあげていました。




おわりに

二日間の体験学習では、内容としては中学生にとって難しかったところもありましたが、真剣に説明を聞き興味を持って取り組んでいました。後日中学生から届いたお礼状には、「疲れを感じないくらい楽しかった」「将来、九州大学で学べるように今回教えていただいたことを生かして勉強を頑張りたい」「学校ではしないような実験ができて楽しかった」という言葉がありました。こちら側も去年とは異なるスケジュールで不安はありましたが、中学生に貴重な経験を提供することができ大変喜ばしく思います。また、今後も継続的に受け入れができるよう、引き続き内容等の検討をしていきたいと考えております。
この職場体験学習では、工学部技術部外の先生方にもご協力をいただきました。
・大学院工学研究院応用化学部門(化学実験室の提供)
・水素エネルギー国際研究センター 佐々木一成主幹教授
心より感謝申し上げます。