技術職員紹介

 

技術専門職員

増 子  隆 博   
(ますこ たかひろ)
計測・分析技術室
材料・化学分析班
班長

 

『鳩時計』、ご自宅にある方もいらっしゃるかと思いますが、ちょっと待ってください。その鳴き声は『カッコウ』です。『片栗粉』、近年ではジャガイモのデンプンが主に使われています。『マシュマロ』も、今ではマーシュマロウ(ウスベニタチアオイ)を使いません。この二つは、元々原料に使っていたから名前に残ったそうです。

名前と実物に差があるものは結構多いですが、私の仕事内容もそのような感じです。主に応用化学部門という場所で働いていますが、実際には化学試薬で実験するよりも、雑務やネットワーク関連にかかる比重の方が大きいです。といっても、ネットワークは通常に動作していて当たり前なので、障害等が発生しないと私の存在価値は認識されないかも。いや、その分、無駄に目立っているので存在自体は認識されていますね。技術部ができて今後どのような業務が増えて、どのような業務が減るかは、やってみないと分からないところです。

 20年くらい前は、分からない事があると図書館などで探すという手間がかかりましたが、最近ではインターネットで簡単に(正しいかどうかは別として)検索できます。ところがどうも私の周りでは、とりあえず私に聞いてみようという選択肢が間に一つ入る傾向があるようです。広く浅い知識を持っているとはいえ、知らないものは知りません。『知ってる事は偉そうに、知らない事は適当に』答えます。そうは言っても、やはり全く知らないのも悔しいので興味があれば後で調べます。一対一の対応で憶えてもすぐに忘れるので、他のものと関連付けて憶えると、思ったより知識が増えていくのが実感できます。

 たとえば、ドイツ3大Bのうちの一人、バッハは宗教改革で有名なルター派プロテスタントで、田舎にこもって宗教音楽を多く手がけています。ベートーヴェンは当初ナポレオンを讃える曲として「英雄」を作ったとも言われていますが、皇帝即位を聞いて失望したとか。それまでの宮廷での音楽ではカツラをかぶる音楽家が多かった中、ベートーヴェンの肖像画は他とは雰囲気が違いますね。もう一人、ブラームスは1800年代後半なので日本では江戸末期ですね。こちらはシューマン夫妻との色々な話が有名です。音楽とその背景にある歴史を関連付けると意外なところに接点があります。ベートーヴェンの少し前、天才モーツァルトは主にフランス革命の前に活躍していますが、マリー・アントワネットに10歳に満たないとき求婚?の言葉を言ったともいわれています。

 さて、タイトルと中身について、もうひとつ。イソップ寓話の『アリとキリギリス』。日本では百人一首にも出ているように、昔はキリギリスとはコオロギのことを指していました。が、よく考えてみてください。夏にうるさい虫って何ですか?そう、セミです。ギリシアなど地中海ではセミも生息していますが、寒い地域では馴染みが無いのでキリギリスになったとも言われています。成虫が冬まで生きていて食べ物を…というのが非現実的と言った人もいますが、日本人なら『アリとセミ』の方がしっくりきませんか?

増子氏
安全衛生セミナー講師を務める増子氏
MALDI-TOF質量分析装置操作中

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