工学部技術部が発足してはや1年が過ぎ、2年目に入りました。この間における技術部の活動に対しまして、皆様からご理解とご協力を頂き、お礼申し上げます。
工学部技術部は、技術職員の人数削減が進む中、限られた人的資源を工学部の教育・研究の技術的支援のために最大限活用できるようにすることを目指して2016年4月に設立されました。
技術部では、重点的実施事項として以下の3つの項目を掲げています。
(1)共通業務(特に実験・実習支援)に対する技術部全体での対応体制,支援体制の構築
(2)技術職員の技術力向上のための各種研修プログラムの開発と実施
(3)学生を対象とした機械加工に対する安全教育の企画と実施
実験・実習支援などの共通業務については、各部門へ派遣されている技術職員を中心とした従来の支援体制を基本としていますが、既に一部の実験・実習に対しては関連の専門技術を有する技術職員を新たに加えるなど、技術部全体での対応・支援体制づくりに取り組んでいます。また、教育・研究に関連する新規の業務依頼も徐々に増加しており、複数人体制による打ち合わせから実施方法の検討・決定まで、異なる技術力・知識・経験を持った複数の技術職員によるグループでの対応・支援体制づくりにも力を入れています。
これらの取組みは、教育・研究に対する技術的な支援の幅・質を向上させることに繋がると考えています。今後は、広範囲に亘る技術を安定的・体系的に提供できるよう、計画的で組織的な技術育成方法を確立することが重要と考えています。
毎年、技術職員の育成を目的とした技術力向上研修、技術継承研修を多数企画しています。技術職員が個々の技術力に応じて効率的に受講でき、かつ広範囲の技術を計画的に修得し易くするため、基礎研修、初級研修、中級研修に分けて系統的に実施するなどの工夫も凝らしています。今後は、OJTなど現場での研修も積極的に取り入れるなど、より実務に反映できる研修のしくみづくりにも取り組んでいく予定です。また今年度より、新採用者に対する安全教育と技術育成を目的とした各種研修も技術部で企画し、実施しています。
工学系学生を対象とした機械加工に対する安全教育も企画し、座学による安全教育と、実技指導による加工基礎研修および自主制作に関する講習を実施しました。また、システム情報学府の学生に対して化学物質取扱講習会を実施し、システム情報学府の教育・研究で一般的に使用されている化学物質に対する基礎知識と安全な取扱い方法について教育を行いました。これらの取り組みは、先生方からご好評をいただいており、今後も継続して実施する予定にしています。
このような取り組みは、技術部が組織的に活動することによって成り立つものです。組織化に伴い必要となる、人材育成方法の確立、運営・マネジメント能力の開発についても技術部として計画的に実施していくべき課題と捉えています。
工学部技術部は、今後とも工学部の教育・研究のさらなる発展に寄与するために積極的な活動を行って参りますので、皆様のご指導とご助言をよろしくお願い申し上げます。
平成29年7月
技術部次長 佐藤 誠樹