髙松技術部長挨拶

工学部では,本年4月より技術部を設置しました.技術職員が組高松研究院長織化されたのは100年以上の歴史を持つ九州大学工学部で初めてのことです.昔は講座数も少なく,九州大学のような旧帝国大学では1講座が教授1名,助教授1名,助手2名,技術職員1名で構成されていましたが,今はそうではありません.教育研究体制そのものが以前とは違います.しかし,研究と教育に果たす技術職員の役割は依然として大きく,それにもかかわらず技術職員の数は教員や学生数に比べて相対的に減っています.このような状況の中,工学部教育には欠かせない実験や実習などを持続し,かつ,数多くの先生方が特色のある実験装置を用いて独創的な研究を継続していくためには,技術職員の効率的,機能的配置と役割分担が必要です.また,技術職員が高いモチベーションを維持して切磋琢磨し合いながら研鑽を積み,それぞれの技術や経験を伝承していくことも不可欠です.技術部はその目的のために設置されました.ただし,長年のやり方を,突然,劇的に変えてもうまくいくとは思えません.長い間慣れ親しんできた方法や考え方はなかなか変えにくいのも事実です.ですから,実質的には10年くらいの長い時間をかけて,徐々に新しいシステムに変えていく予定です.技術部の運営が軌道に乗り,九大工学部全体の教育研究のパフォーマンスがさらに上がるよう皆様のご協力をお願いいたします.

平成28年5月
工学部長・技術部長 髙松 洋